最初のキリムバスケット(kirimbasket)は2002年に開発しました。古来の竹の編みかごに木製の縁を取り入れた完全な独自技術の竹かごです。正確に竹かごを編む編組技術と無垢の木材を自由に変形させる曲木技術を組み合わせたこの種の竹かごは他にはありません。竹かご編みと曲木をひとりでできたことでこのキリムは誕生しました。
kirimというネーミングも独自のもので、木(ki)+縁(rim)の組み合わせです。ペルシャの織物はkilimという綴りで関係ありません。
キリムバスケットは今でこそ海外で販売することもありますが、開発当時は全く評価もされませんでした。しかし長い時間を経て徐々に改良を加えることで使い勝手と質感を増し、また種類も増えました。
キリムは大きく分けると「キリムバッグ」と「キリムバスケット」の2種類になります。そしてそのそれぞれに様々な工夫と意匠を加えることで種類が無限に増やせる環境にあります。しかしながら改良を加えていく過程で技術的・素材的に不適と判断して廃盤としたキリムもあります。
縁(rim)は天然木です。初期は米杉(ベイスギ)なども使いましたが、テストを重ねることで最適な樹種が数少ないことがわかりました。条件に合った最適な無垢材を蒸気で曲げて型で固定することで必要なサイズの縁を制作できます。この時の材料は最も素性の良い部分だけを選び、その厚みは0.1ミリ単位で調整されます。厚みの不均等は繊細なカーブに歪みを生じるからです。